お別れのとき

昨日、今日と有給休暇にしていた松剣。相方は、松剣が居てくれるなら、昼から職場に行ってくるわと、遠隔気功のお金を支払う為、少し早めに家を出た。融通の効かない金融機関ですったもんだがあり、折角早く出たのに何の意味も無かったらしい。

その頃松剣、会社からの電話に対応していたのだが、寝たままのまりもが小さな声で短くキュンと鳴いた。おかしいと思い、すぐに電話を切り相方に連絡を入れた。

今どこ？ゆうちょ銀行でゴタゴタしたから、まだ家の近くと言う。直ぐに帰って来て！と呼び戻した。5分後、相方が戻った時には、出掛けた時と何ら変わらぬまりもが居た。昨日からビックリさせてばかりじゃん！でも今日はやっぱり休むと会社に連絡したからと言った。

これで安心。今日はずっとまりもと一緒に居てやれる。しかし松剣、どうしても約束の物を届けなければならない。30分で戻って来るから、まりも、絶対に待っていてよ！約束したよ！
そう言って家を出た。

30分後、急いで戻ると目をパッチリ開けてお帰りと、まりもが表情で言ってくれる。良かった。約束守ってくれたね。もうどこへも行かないからね。そう言いながら、帰りに買ったシュークリームを食べさせようとしたが、食べない。水を飲ませようとしたら、さっきまで赤みを帯びていた舌が白くなっていた。おかしいと思っていると呼吸が乱れ始める。

気功のT先生に連絡し、直ぐに気を送って頂いた。しかし呼吸は乱れるばかり。ああ、とうとうお別れの時が来たらしい。相方と二人で身体をさすりながら、本当によく頑張ったね、良い子だね、可愛い子だね、ありがとうね。そう言いながら交代に何度も頬ずりをした。

そのうちにまりもが立ち上がろうとした。トイレに行きたいの？そう言って松剣が抱き上げ
トイレシートに乗せようとした時、まりもの身体から力が抜けた。直ぐに抱き上げ、相方に
もうダメみたいと叫ぶ。二人でまりもを挟み込む様に抱いた。

最期は相方の腕の中だった。心臓が止まる一瞬だけ苦しそうにしたが、後は本当に穏やかな最期だった。

望んだ通り、二人が揃っている時に相方に抱かれて逝った。ゆうちょ銀行ですったもんだが無かったら、相方は職場に行っていたかもしれない。松剣の用事が30分で終わらなかったなら、間に合わなかったかもしれない。

大好きなお姉ちゃん。あんず、寂しくなってしまったね・・・

ブログを読んだ友人Fが早速駆け付けてくれた。可愛らしいお花とお香典まで持って・・・多分電話で伝えれば、飛んで来るだろうから、連絡は後にしようと相談していた所だった。

良かったね、まりも！可愛いお花が良く似合って居るね。もうお腹も重くないからおもちゃでいっぱい遊べるよ。美味しいおやつも沢山食べたらいいよ。

今日はまりもと思い出をいっぱい語りながら最後の夜を過ごそうね。明日まりもの身体とはお別れだけど、ずっとずっと松剣と相方の側に居てくれるよね。ありがとう、まりも。松剣と相方の永遠の宝物。ゆっくりお休み。