2026年7月19日日曜日

みんなありがとう

『まだ若いから、大きな病院でしっかり診てもらった方が良い。万が一悪い物だったとしても本当に初期の段階だから。』


そう言われたのは、3月の健診後に受けた精密検査の後だった。


やられた、ヤバいかも・・・数年前に指摘を受けていた胆嚢ポリープ。経過観察という名の放置が悔やまれた。


会社の指定する病院で造影剤のCTを受けたが、画像診断でも形の悪さだけはハッキリしたものの、白黒つけられず、6月の初めに紹介状を持って大きな病院を受診。胃の中に内視鏡を入れて胃の壁越しに超音波で胆嚢を見る『超音波内視鏡』なる検査を受ける事になった。


相方に伝えると、結構ケロッとした感じで「多分癌じゃろうね。がん保険加入しといて良かったよ。まぁ初期なら切って終わりじゃけー。」




内科医の診立てでは、普通のコレステロールポリープはキノコのように茎があり、そのうえにプクッとできるのが特徴らしいが、胆嚢の壁にベッタリと丘のように盛り上がった『広基性腫瘍』にも見えるという。



しかし、良性のポリープの特徴である、胆嚢壁の厚くなった所に空洞も見られ、この検査でもグレーゾーン。摘出して生検でハッキリさせる事を勧められたのだった。

事を勧められたのだった。
手術は7月14日、ジュニアの命日と決まった。お願いジュニア、どうか松剣の事見守って。当日家を出る前に両手を合わせ、いざ出陣。


手術は勿論、人生初の入院。腹腔鏡下による内視鏡手術。医者にとったら簡単な手術なのだろう。18日には退院できる予定という。


1週間前に両親に伝え、手術室に入るタイミングで電話。終わる頃に来てもらい、手術中は相方が病室で待機してくれていた。


手術室手前で外したメガネを相方に預け、いよいよ手術台へ。麻酔医から、点滴で麻酔を入れていきますね。背中の方が熱くなって来ると眠くなりますよ〜と声を掛けられたまではハッキリ覚えているのだが・・・





手術室に入ったのが13時、病室に戻ったのは予定通り15時半頃だったそうだ。術後の説明では、医者が見る限り悪い物では無さそうとのことだったらしく、一先ず安心。


呼びかけで目が覚めたのか、自然に目が覚めたのか分からないが、ここどこ?と聞くと、相方と母がほぼ同時に病室よ、と答えてくれたのはわかったが、昼なのか夜なのか、時間はさっぱりわからなかった。


色々な管につながれ身動きが取れない。やたら喉が渇いていて、暑くて腹ペコだった。


うつらうつらしながらも何とか会話はできていた。先に相方が、また明日来るねと帰宅し、続いて両親が、今日はしっかり休んで、また明日来るからと帰宅した。


次に目が覚めたのは、看護師さんが点滴を見に来て下さった時で、辺りはもうすっかり暗くなっていた。


今何時ですか?と聞くと、そろそろ9時ですよと言われ、カープどうなったんじゃろ〜?と言うと、4対0で勝っとったけど、逆転されて今4対5で負けてますよ~と返ってきた。


すみませんがテレビ、カープにしていただけませんか、とお願いし、スマホで相方と両親、妹に連絡を入れた。


この頃には意識もハッキリしていて、背中の気持ち悪さと喉の渇きで不快なこと極まりない状態だった。


夜中もわずかに動く身体をよじりながら、自分で丸めたバスタオルを背中や腰に当て、唾を溜めては飲み込み、喉の乾きを潤した。


ウトウトしたら点滴からピーピー音がしたり、またウトウトしたら血圧計がプシューと音を立てて自動で動き出す。看護師さんが何度も様子を見に来て下さったが、ほとんど寝られないまま朝を迎えた。


朝一の検温で看護師さんが、手術当日にこんなに動き回っている人、初めて見ましたよ〜と笑う。ガウンの前ははだけ、布団もぐちゃぐちゃ、術後にあてがわれていたおしめもビリビリに破けていた。


うがいをさせてもらい、痛み止めの薬を飲んだ時のぬるい水がどれほどおいしかったか!


尿の管を抜いてもらい、点滴を引っ張り自力でトイレに行くと、もう退院出来るんじゃないかと思うほど回復していた。


水分摂取のOKが出たので思う存分水分補給。昼ご飯からお粥と少々のおかずが出た。





めっちゃ旨い!しかし量少なっ。勿論完食。


この日は点滴を引っ張り、ナースステーションを起点に5階の病棟ぐるり100mを何十周も歩いた。


看護師さんも受付の事務のお姉さんも、手術の翌日にこんなにスタスタ歩いている人は初めてと、驚異の回復力に驚いた様子だった。


そしてこの日の夜で点滴も外れ、翌日は階段で5階から1階まで降りては上がるを繰り返し、院内を1万歩。相方に頼んで持って来てもらった竹刀で数百本素振りもした。


術後の傷の痛みもほとんどなく順調に回復、そして予定通り、本日無事に退院した松剣。


ジュニア、ありがとう。きっとぺー君、まりも、大ちゃんも、みんなで守ってくれたんだね。無事に帰って来たよ。





そして勿論、あんずちゃんもきっと帰りを待ってくれていたはず。そして一番心配させてしまった相方に、ありがとう。