2013年7月14日日曜日

ジュニアの思い出

7月14日はジュニアの命日。あれから8年になる。

平成元年GW最終日の夜、友人Fにちょこんと抱っこされてやって来た小さなワン子。生後2ヶ月足らずか。薄汚れていたので洗ってやったが、何だか黒い汚れが落ちていない。もう一度洗ってやろうとしてギョッとした。汚れでは無くノミだった。全身に何十匹も!バケツに湯を張り、その中で一匹一匹プチプチ退治してやると、すっかり落ち着いてクークーと寝入った。
デジカメなんて無い頃の写真。ネガをスキャンしてみた。まりも??

翌朝、首輪もリードも無しで散歩に出掛けた。この人から絶対に離れるもんか!と思ったかどうかはわからないが、そんな感じで一生懸命、必死で松剣の後を付いて来た。名前は『ジュニア』とし、その日から松剣の生活は一変する。

当時アルバイトをしながら生計を立てていた。お金が無く、明日食べる米にも事欠く始末。なのにパチンコばかりで貯金は0。家具や家電も粗大ゴミで拾った物や、古道具屋で買って来た寄せ集め。割れたガラスもそのままだったりと、結構ワイルドに?暮らしていた。

でも・・・ジュニアにおやつを沢山買ってやりたい。可愛い首輪も付けてやりたいな。
1週間に1回の休みじゃつまらないよね。ちゃんとした生活をしよう!先ずは正社員で働く事に。幸いにもバブル真っ只中。すぐに就職は決まった。
川土手の公園で。蟻がたかったアメを拾い食いし、口の中を蟻だらけにしたっけ。

生活も安定し始め、家の中の家具や家電も一つ、また一つと、まともな物に変わっていった。
可愛いジュニアが病気になったら大変!いざという時の為に貯金もしなくっちゃ。ジュニアのお陰で人間らしい生活に変わっていった。

翌年の夏には相方と一緒に『ペットと泊まれるホテル』と言う本で見つけた、萩のペンションに泊まった。秋吉台、萩、仙崎を巡る旅。真夏で暑かったけど、秋芳洞の中は涼しかったね。まりもとの初めての旅行も同じコースだったな…
初めての旅行で。痩せっぽちのジュニア。体重は7kgくらいだった。

この頃はイタズラもすごかった。仕事から戻ると裁縫箱を引っくり返し、針山からマチ針を全部引き抜いていたり、自分の顔くらいある大きなチョコを半分食べて、残りは食べきれずにクッションの下に隠したり。電話を壊した事、テーブルの四隅全てをガジガジに噛んでボロボロにした事も・・・あのテーブル、今はもう使っていないけど、松剣と相方の、ジュニアの思い出。ちゃんと取ってある。

松剣の膝がジュニアの特等席だった。

この頃大事件が起こった。散歩中におじさんが連れたワン子とかかってしまったのだ。当時通っていたK村動物病院に電話をすると、妊娠させない注射を打ってあげると言う。リスクなどの説明も無く、無知な松剣も何も聞かず注射を打ってもらった。
4年後、6歳の若さで子宮蓄膿症になった時、AK動物病院でこの注射が原因と知らされ、こればかりでは無いが、K村動物病院には不信感を抱き、通うのは止めた。

この事件の少し後、ペー君が家族に加わり、一層楽しい日々になった。休日のピクニックや釣り、旅行・・・いつも一緒に出掛けたね。食いしん坊のペー君と競うように何でも食べて、数年後には体重が11kgになった。食べさせ過ぎが原因で、12歳の頃には膵炎に。大事には至らなかったが、飼い主としてサイテーだ。これをきっかけに食事やおやつを見直し、脂肪分を控えるようにした。
ペー君が旅立った夏。ジュニアとの時間がとても大切に思えた。

ペー君が旅立った時の寂しさはジュニアが埋めてくれたが、この時既に13歳。これまでジャンプしていた所が跳べなくなったり、食事中も後ろ足に力が入らずツーっと滑ったり・・・
前歯も2本抜け、老いを感じるようになってきた。見た目はとても元気だけど、ペー君との
お別れが来たように、必ずこの子とのお別れもやって来る・・・今を大事にしなければ。週末毎にいろんな所へ出掛け、旅行にも何度も行ったね。別府、湯布院、ペー君とも行った、思い出の阿蘇・・・最後の旅行は、天国に旅立つホンの2ヶ月前。大山・美保関・境港周辺だったね。あれが最後になるとは思いもしなかった。
ピクニックの帰り。くたびれたぁ〜。下の前歯2本、抜けちゃった・・・

平成17年6月下旬。自宅から約90kmの所へ鵜飼を見に行った時だった。ジュニアの足取りがおかしい。先を歩く相方を呼び止めジュニアを抱き上げると、目がクルクル回っている。ペー君と同じだ!大急ぎで戻り、待機してもらっていたK先生に診てもらった。やはり前庭異常。
この病気自体は怖い病気では無いのだが、注射しても、何日経っても一向に良くならない。食欲は無く、どんどん弱っていく・・・随分迷ったけれど、K先生には悪いがペー君を治してくれたAK先生に診察してもらいたいと正直に話した。快く応じて下さったので、AK先生にペー君が受けた『ステロイドパルス療法』をお願いした。

少し良くなり随分食欲も出て来たので、きっとこれで良くなる。そう思っていたが、年齢がそうはさせなかった。16歳。きつい治療に耐えられなかった。自宅で痙攣を起こしたように硬直し始めた。急いで病院に向かう。色々と手を尽くしてもらったが、今夜が峠だと素人でもわかった。松剣が運転する帰りの車の助手席で、相方の腕に抱かれて逝った。少しだけ苦しそうにしたが、すぐにスーッと楽になったね・・・

16年間ありがとう、ありがとうと、何度もお礼を言った。ジュニアと出会っていなかったら、荒んだ人生だったかも知れないね。ジュニアが人生の軌道修正をしてくれたんだ。家族になれて幸せだったよ!それに、ジュニアに出会っていなければ、まりもとの出会いも無いはずだ。
ジュニアのイメージは淡い色の花。好物の和菓子とドーナツを供えて・・・

ジュニアの可愛さは、きっと松剣と相方にしかわからない。まりもは本当に人が大好きで、買い物の間など、ちょっとつないで留守番をさせていると、知らない人の膝に座っていたり、知らないお姉さんに抱っこされて尻尾フリフリだったり、誰からも可愛がってもらえるタイプ。しかしジュニアはとても警戒心が強く、松剣か相方が居ないとダメだった。そんな所がたまらなく愛おしかったのだ。

松剣これまでの人生、人に意地悪もしたし、嘘だってついた。卑怯な事もしたし、人に迷惑だって掛けたから、きっと地獄行きだ。天国に居る君たちには会えないんだろうね・・・

2 件のコメント:

みゃんこ さんのコメント...

まりもちゃんに似てますね。

生まれてからずっときれいなまんまの人ってほとんどいないと思う。

人にばれてなくても自分だけは知ってる過去があったりする。
寝言でそれをばらすんじゃないかと恐れたりもする。

自分で悪人だってことを自覚している人は、
救われるんだよ。

阿弥陀仏は、悪人を救うことを目的としていて、
悪人こそ、往生するにふさわしい、って。
歴史で習ったよ、『悪人正機説』。

ジュニアちゃんは、松剣さんを救うためにやってきた。
だからきっとまた松剣さんはジュニアちゃんに会える。
ジュニアちゃんは、虹の橋のたもとで待っている。

私も、アルとジェリーにきっと会える。

松剣 さんのコメント...

そうなら嬉しいですね。会えるといいな。
虹の橋のたもとで待ってくれているあの子達・・・
歳を取った松剣の事、すぐにわかるかな?

憎まれっ子世にはばかる・・・松剣きっと
長生きするから、随分待たなきゃいけないかもね!