2013年7月5日金曜日

ペペとの思い出

7月5日はペペの命日。あれから11年・・・松剣と相方が抱くペペのイメージは『ひまわり』。なので毎年命日には、こうしてひまわりと大好きだったチーズなどを供えて偲ぶ。
勿論、一日たりとも忘れる事なんて無いのだけれど。
みんなが集う居間でいつも一緒のペペとジュニア。

出会いは平成3年の晩秋だった。首輪の無いワン子。ちょっと脱走したんどろうと軽く考えていたが、とうとう元の飼い主は現れなかった。保護した時、先住ワン子のジュニアが居たのでとても迷ったが、警察に『拾得物』として届け出た時、署のカウンターで体高や特徴を警官が記録する間、ブルブルとひどく震えていた。迷子になったのか、捨てられてしまったのか・・・かわいそうでたまらず引き取ると決めたのだった。

そうなると一番大事な事、どうする?名前。和風に「太郎?」と呼んで見た。反応は無い。「コロ?」「プー助?」どれにも反応なし。唯一反応したのが「ペペ」だった。それからは松剣と相方のみならず、家族や周りの友人も、みんな彼の事を「ペー君」と呼んだ。一見怖そうに見えるし、ちょっと不器用で神経質な柴犬らしい一面もあったが、とても人懐っこく、一部の人にしか心を許さなかったジュニアと違い、みんなからとても可愛がってもらった。
推定年齢2〜3才でやって来た頃。いつものお散歩の公園でパチリ。

引き取ったは良いが、ジュニアとの間に子犬が産まれる可能性100%。拾得物として届け出たので、半年間は正式な飼い主では無い。去勢か避妊か・・・身体への負担は去勢の方が少ない。でも元の飼い主が現れたらゴメンじゃ済まないだろうな・・・しかし飼い主が現れない事を祈り、去勢した。これで安心してジュニアと生活出来る様になった。

人懐っこい割には他のワン子に対してはとても喧嘩っ早く、友達ワン子なんてひとりも居なかったけど、ジュニアには絶対服従。何をされても歯向かう事は一度も無かった。家の中では付かず離れずの場所に居て、散歩はいつだって一緒。松剣が毎日朝夕、ふたりを連れて行った。休みの日は1時間以上。松剣も季節を感じながらの散歩は楽しく、大好きな時間だった。

毎日散歩はしていたが、足りていなかったのか、ヤツはよく脱走をした。裏庭から通じる狭い通路に設えた、松剣お手製の柵をぶち壊し、乗り越える。しかし大胆なくせに怖がり。遠くに行く事は無く、車で追いかけジャーキーを見せればすぐに捕まった。近所の子供がペペちゃん連れて来ました、と捕まえてくれた事もあったっけ…
初めての旅行で岡山の牛窓を訪れた時。若くて貫禄十分!

弁当を持ってピクニックにもよく出掛けたが、知らないお姉さんからサンドイッチをもらっていたり、知らないお兄さんにメッチャなでなでしてもらっていたり・・・旅行にも何度か出掛けたな。写真の牛窓、阿蘇、小豆島・・・大胆なのに神経質で、旅先ではいつもトラブルメーカーだった。夜は寝ないし粗相はするし・・・ぞれでも楽しい事一杯だったね。

そんな生活が10年近く続いた平成12年の暮れ、ペー君は突然ひっくり返って立てなくなった。クルクルと目を回し、食べたものを戻したので慌てて病院へ行くと「前庭異常」と言う老齢犬に多い脳の病気と診断された。ステロイドの大量投与で歩けるまで回復はしたが、首を傾けた状態の後遺症が残った。いつも何か考えているようで、この頃のあだ名は「ハテナ君」。この病気をきっかけに、勇敢で喧嘩っ早いペー君はとても大人しいワン子になってしまった。
すっかりおじいちゃんワン子になったペー君。お顔も真っ白け。

前庭異常から約1年後の2月。今度は足の付け根の血管が詰まり、心不全と診断され入院した。1ヶ月も持たないだろうと余命宣告されたのだが、こんなに可愛いペー君をひとり病院で旅立たせるなんて出来ないと思った。どうしても家で看取りたいと、当時開業前で、H動物病院で副院長をされていたK先生に相談したら快く応じて下さり、連れて帰る事になった。少しでもたくさん思い出を作りたいと、あの時も今と全く同じ心境で毎日を過ごした。しかしペー君はとても頑張って、驚異的な回復力で先生をビックリさせたのだ。
病院から連れて帰り、驚異的に回復したペー君。食いしん坊が幸いしたようだ。

桜なんて見られないと思っていたけど、気持ちの良い季節になり、弁当持参で近場の公園に何度も一緒に出掛けたね。でもこれが最後のお花見になるとわかっていたから、涙でボワっとした桜を見ながら、ペー君を抱きしめて歩いた事を思い出す。桜吹雪がとても切なかった。
松剣と相方が一番気に入っている写真。最高の笑顔でしょ!!

最後の日はお腹が痛くてずっと鳴いていたね。痛み止めも安定剤も効かなかった。夜通し鳴いて、松剣と相方がウトウトした明け方。相方の腕の中で眠る様に旅立ったペー君・・・元の飼い主の所に戻りたくはなかっただろうか。うちに来て幸せだっただろうか・・・勿論幸せだったに決まっているね。だって松剣も相方も、ペー君に出会えて本当に幸せだったから!

3 件のコメント:

みゃんこ さんのコメント...

ぺぺちゃんもかわいいねぇ。
笑顔満開ですねl

ぺぺちゃんは、飼い主を選び、名前も選んだのね。

「このにいちゃんがいい!このにいちゃんとねえちゃんちのコになる!!」
「ぺぺ? うん!その名前が気に入った!」

私もそうやってワンコに選ばれたい~。

松剣 さんのコメント...

ホント、選んでくれた、と言うかこの人達しか
いないと感じてくれたと言うか・・・

保護するまでの1週間、毎朝どこからともなく
姿を現し散歩に付いて来る。
仕事から帰ると玄関の前で待っている・・・
名付けの時も、そう!その名前で呼ばれていたよ!
と言う感じの反応でした。

運命の出会い?に感謝です。

松剣 さんのコメント...

最初の頃は布団を掛けてやると飛び退き
しばらく経つと布団を掛けても
嫌がらなくなり、何年か後には自分から
布団に入れて!と言うまでになり・・・
年々可愛さが増して来ました。
ペー君、本当に可愛かったですよ〜。
家族になれて幸せです。