グリグリは急激に、というわけではないが、じわりじわりと大きくなっているのがわかる。
早く抗がん剤で叩いてしまわなければと思う一方、こんな調子でこれまで以上にキツイ薬剤を入れて大丈夫だろうか・・・しかし週の半ばくらいから少し元気になって来た。朝の食欲は相変わらずだが、夕方になると食欲も出て来て、おもちゃで遊んでとせがむ。
DMACはアクチノマイシンDを点滴後、その日のうちに4時間掛けて1時間置きにシトシンアラビノシドを注射するので、午前中にまりもを預け夕方迎えに行くというスケジュール。
午前中は相方が、お迎えはフレックス勤務が可能な松剣が担当する事に決めた。
プロトコール初日の28日。仕事に出掛ける準備を整え相方がまりもを連れて病院へ。この日も少し元気が無く、道中おやつも食べなかったらしい。
病院が近づく頃には少しだけ元気に。
食欲が無くお腹の調子も悪い事、この食欲の無さは子育て由来ではなさそうな事をK先生に必ず伝えるよう相方にお願いしていた。抗がん剤を延期しようと判断されれば少しだけホッとするかもしれないが、このままグリグリが大きくなるのも心配だ。抗がん剤をするか延期にするか、職場で連絡を待つ。
診察開始はお決まりの体重測定から。食欲が無い割には体重が減らない。よもや何か悪い物が大きくなっているんじゃなかろうか・・・食欲の無さも下痢もそいつのせいじゃ・・・松剣またまた負のスパイラルに。
血液検査の為の採血をし、結果を待つ間に今日もビタミンCの点滴をする。点滴を開始して間も無く食欲が出てきておやつを欲しがる。パクパクと結構な量を食べたらしい。
ビタミンCの点滴中、血液検査の結果が出た。肝臓機能の数値ALPが777と跳ね上がっている。貧血も少し進んでいるようだが、白血球13760、好中球は10128。ここは早目に叩くのが得策と言う事で、抗がん剤決行となった。ビタミンCとアクチノマイシンの点滴終了まで相方が付き添い、後ろ髪を引かれる思いで会社へと向かったそうだ。
会社で抗がん剤決行の連絡をもらい、早く迎えに行きたくて仕方がなかった松剣。病院の迷惑になるといけないので、夕方4:00以降に迎えに行くよう相方からキツく言われていたが、10分くらい前なら良かろうと病院に入ると受付のYさんが、まりもちゃんちょっと戸惑っていたけどいい子でしたよ!と入院ルームへ案内して下さった。
ネットで見つけたDMACの資料によれば、完全寛解率43.7%、部分寛解率12.5%、寛解期間中央値は21日間(14〜801日間)。あまり期待できるプロトコールではなさそうだ。
点滴から1日経過したが、グリグリは無くなっていない。初めのプロトコールでは、翌日にはリンパの腫れは殆どわからなくなる程スパッと効果があったので、それだけ凶悪化したのだ。
このまま効果が無いなら抗がん剤の投与はもう止めようと相方と決めた。ビタミンCとステロイドで生活の質をギリギリまで保って苦しみは最小限に、そして相方とあんずが見守る中、松剣のこの腕の中で静かに旅立たせてやりたい。神様、居るのならせめてそれくらいは叶えて欲しい・・・