2016年10月16日日曜日

M美との出会い

M美と相方とSちゃん、仲良し3人の出会いは高校入学までさかのぼる。出身中学はそれぞれ別だったが、一年生で3人は同じクラスになり、M美と相方は三年生でも再び同じクラスで青春時代を謳歌したのだった。




そして相方が卒業式を終えた日、今日は仲良し数人がM美の家へ泊りに行く事になっているから松剣車で送ってよと言われ、相方と一緒にM美の家を訪れたのが松剣とM美の最初の出会いだった。




田舎の高校で剣道部だった松剣。片や街中の女子校でとても目立つ部類のグループだったM美達。どう考えても接点などあるはずも無い。




第一印象は強烈だった。とても自分より年下とは思えない程しっかりしていて、ダッサい松剣をごく自然に受け入れてくれ、姉御肌な人だと思った。




無口で話下手な松剣、初めて会った人と楽しく会話なんて出来やしないはずなのに、話上手なM美との会話は退屈する事も戸惑う事も一切無く、まるでずっと前から知り合いだったっけ?と思わせる程気さくで、自然に話が弾んだ事を覚えている。




社会人になってからはSちゃんとの交流が一時期途絶えた事もあったが、M美と相方の友情は相変わらず続き、松剣も一緒に頻繁に会うようになった。M美に一人息子のJが誕生してからも一緒に動物園や海水浴に出掛け、Yが加わる事も度々あった。





M美と相方は仲が良いだけではなく背格好も良く似ていて、買ったけど殆ど着なかった服をM美からもらう事もしょっちゅうだったし、見た目だけでは無くオブラートに包まない物の言い方、性格や考え方もお互いが認め合う程似ていた。前世では双子の姉妹だったんじゃないかと思う程だった。





そして四角四面で融通が利かない不器用なパパと松剣。故にイラッとさせるポイントもだいたい同じ。いつもそれぞれがやり込められた話で盛り上がり、お互いに辛いとこですなと、慰め合うのが常だった。




病気が発覚してからも気丈なM美の毒舌は健在で、まるで夫婦漫才のようなパパとの掛け合いはいつも笑いに包まれていた。笑えば免疫力もアップするからと弱音を吐く事など一度も無く、病気と向き合い闘い続けたのだが、頑固ながん細胞は容赦無く執拗にM美を襲った。

 

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