8日の血液検査から2日後の朝、まりもは元気も食欲も全く無くなった。貧血が更に酷くなったのか?輸血をしなければ大変な事になるんじゃなかろうか・・・明日はDMACの予定だが、こんな状態で大丈夫なのか?K先生も今後どうしたら良いか分からないと言われていたし・・・
そんな事を考えていた時、このブログにコメントを下さったメグさん。今更なんて言わないで
セカンドオピニオンでも良いから腫瘍科認定医に相談を、との言葉に松剣決心をした。
同じリンパ腫で2年以上頑張っている子の殆どは認定医による治療を受けておられる。
その事はずっと、松剣の空っぽな頭の片隅にいつもあり、今こそがん治療のプロフェッショナルにアドバイスを頂く時と判断したのだ。
腫瘍科認定医Ⅰ種を取得されているM先生が自宅から2時間程の場所に居られる。これまで活性化リンパ球療法に何度も通ったA動物病院から車で30分。通えない距離では無い。相方も一緒に行きたいと言うので急遽休みを取り、行きながら診察時間になったら電話を入れる事にし、フライングで出発した。
本院は、がん検診センターのM動物病院。A動物病院から30分だが、院長のM先生は午前中はいつもH中央動物病院で診察されていると言う。そこならA動物病院から車で5分。何だ、こんな近くにⅠ種の認定医。全国に34名しかいないのに!まるでホテルのフロントじゃん!
電話で主治医の名前と病気の経緯、今の状態、そしてセカンドオピニオンとしての相談を求めての診察である事を伝えてもらっていた。どんな先生かな。名前を呼ばれ、不安と期待半々で診察室へ。先ずはこの病気と診断された日やプロトコールの詳細、寛解と再燃の日付などを詳しく問診。これだけで30分以上費やしただろうか。
M先生はスラリと背の高い、俳優にしてもおかしくないくらいの男前だけど、それを鼻にかける様な感じは全然無く、物腰がとても柔らかで懐の大きさを感じる受け答え、わかりやすい説明で、一気に不安なんて吹っ飛んだ。
更に、ここ最近の血液検査の結果と触診から、治療開始から1年4ヶ月も経過しているのに、非常にまりもの全身状態が良く、主治医の先生と飼主さんが頑張って色々とコントロールされて来た事が本当に良く分かりますよ。かなり質の高い生活をキープされていましたね。これまでの治療は全く間違ってはいなですよ、と仰って下さったのだ。涙が滲んだ・・・
ここまでで既に連れて来て良かったと思った。しかし、これだけでは無く、貧血への対応まで考えて下さったのだ。輸血も視野に入れ準備を進める為、まりもの血液型やストックしている血液とのクロスマッチテストをしてもらう事になり、まりもを夕方迄預ける事にした。
触診で肝臓と脾臓が腫れていたので、そちらもレントゲンとエコーで詳しく見てもらうので、お迎えはここから30分の本院へ、16:00以降に行く事になった。
丁度昼時。相方と昼食を済ませ、家電量販店でマッサージ。その後いつもの本屋で時間潰す。
松剣この日はこんな本を選択。ザッと気になる項目に目を通しただけですが・・・
この本の中に、ビタミンCの抗腫瘍効果を疑問視する記述があった。松剣も一向に現れないその効果に苛立ちを感じ始めていた。1回の点滴代は6,000円。それを週に2回・・・湯水の如く財布から消えて行くお金を思うと、輸血に回したいと思った。
何とか時間を潰してまりもを迎えに行くと、入口にこんなパネルが。この子達から貴重な血液を頂く事になるかもしれないと思うと、感謝の気持ちで一杯になった。松剣も年に最低2回は献血に行く様にしている。そちらで恩返しをする事にしよう。ありがとうね、みんな!
診察室へ呼ばれ、まりもと会う前にここの獣医さん、N先生から検査結果について説明があった。レントゲンやエコーの画像をタブレットで見せて頂きながら、血液検査の結果と合わせて説明を受ける。肝臓と脾臓、更に内臓のリンパ節にも腫れが見られる、との所見で、血液検査の方は、確かに貧血だが今日、明日にでも輸血が必要というレベルでは無い、との事だった。
説明の後は、今後の治療についてM先生を交えて話をした。DMACを続けても大丈夫な数値だったので、しばらくこれで様子見。効果が無ければロムスチン。しかしM先生はハッキリと、私はロムスチン否定派ですと言われた。ロムスチンは『諸刃の剣』だそうな。大きくなっていたリンパ節が1回でシュッと小さくなり、本当に良く効くけれど、最後に鞭打つ事になった例をたくさん見て来たと仰る。じゃあどうしたら良いんだろ・・・
がん治療についてよく言われるのは、第1に手術、第2に抗がん剤、第3に放射線、第4の治療として免疫療法。活性化リンパ球療法やビタミンC点滴療法を続けている事も午前中の問診で伝えていた。
ビタミンCについては、害は無いけれど効果もハッキリしないので、費用を考えると輸血や詳しい検査に回す方が得策。リンパ球療法は、他のがん治療には有効かも知れないが、悪性リンパ腫では逆効果との見方もあるので、見極めが必要。
では、M先生が注目していて効果を感じているのは『分子標的薬』。がん細胞を見つけ出し、そいつを集中的に退治する。人間のがん治療にも使用されているイレッサ、リツキサン、グリベックなどがそうで、M動物病院には3種類の分子標的薬を常備しているそうだ。
こんな話をじっくりさせて頂いた中で松剣と相方が決めたのは、ビタミンCの点滴をやめる事。ロムスチンもどうだろう・・・使いたくない、怖い、と言うのが正直なところだ。
更にM先生は、色々な情報がすぐに手に入るけれど、それを精査する事も重要と仰った。
そして最後に、K先生ならこちらからも連絡し易いし、必要に応じていつでも情報を提供をしますよ。無い薬は宅配便で翌日には届けるから、まりもちゃんをしんどい思いで移動させるのでは無く、出来る限り薬を移動させましょうと言って下さった。何だか知り合いっぽいぞ?!
輸血もすぐに出来る準備が整ったから、土日も対応するので朝一に連れて来て下さい。日中ゆっくりと時間を掛けて輸血しましょう。そうすれば入院の必要も無いですから、とも・・・
何て有難いんだろう!一騎当千って、こう言う事なんだろうな。最強の味方だよ!
先生達との話が終わり、まりもと会計を待っていると、先程説明をして下さったN先生が、実はK先生には大変お世話になったんですよ、と言われた。K先生が開業前にお勤めだったH動物病院で研修医として働いていたそうだ。世間って狭いもんだ。<
r />まりもはたくさんの先生に助けてもらえるね!
この日は朝から何も食べていなかったまりもさん。会計を済ませ、車に乗るなり座席にほっぽらかして居たジャーキーをむさぼる様に食べ始めた。貧血は朝が弱いらしい・・・安心したらお腹がペコペコに!
翌日は朝一で相方がまりもとK先生の元へ。レントゲンとエコーの結果はM先生がCDに入れて下さったので、血液検査の結果と合わせて持って行き、○○県の腫瘍認定医の・・・と言った所でM先生?と言われたそうだ。やっぱり知り合いだったんだ。M先生には凄くお世話になったと、嫌な顔一つせず昨日の話を聞いて下さったそうだ。
今日は標準型のDMAC。ビタミンCはやめたので、抗がん剤の点滴だけ。しばらくは相方がまりもに付き添う。今日も朝ごはんを食べていない。点滴中、少しお腹が空いた様だ。ジャーキーいただきましょ。
まりもを病院に預け相方は仕事へ。夕方松剣が迎えに行くと入院室のゲージで待っていた。今日も少し吐いたと言うが、置いてあったジャーキーはいつの間にか食べていたらしい。早く出してよ・・・
薬剤強度を上げた為か、今日はとても辛そう。これまでの抗がん剤とはやっぱり違う。
帰りの車でもグッタリ・・・連日病院で疲れもあるよね・・・早く帰ろうね。
何回か続けてみて、効果が無いなら次は分子標的薬を使おうと思う。もし分子標的薬が効いたとしても、そのうちに又、薬剤耐性が出来るだろう。そうなれば痛みと辛さを最小限にしてやるだけだ。
6 件のコメント:
いいアドバイスを得て、そこからいい先生にめぐりあって、
本当に良かったですね。
うちの犬がかかっていた獣医(腫瘍認定医でした)さんも、
高濃度ビタミンCも活性リンパ球も、
病院のメニューにはあるけど、
効果は疑問視している、と言っていました。
もちろん、ガンはそれぞれ違うけれど。
愛犬のかわりに、考えて、行動して、悩んで、決断して、
いろいろと辛いだろうけど、がんばってくださいね。
みゃんこさん
認定医の診察を受けたからと言って、何かが
劇的に変わった訳では無いけれど、心に少し
余裕が出来た気がします。
そして今後どんな事があるか考えると恐怖を
感じる時もありますが、全て受け入れられると
思うのです。
がんについては細胞学、薬学、医学など
様々な分野で研究されています。
今はそれぞれが『点』かもしれませんが
いずれそれが『線』となって人類が克服する
する事を願って止みません。
まりもが一番望む事は何だろう?考えても
答えはやっぱり我々目線・・・それでも出来る
限りの事を探して頑張ろうと思います。
こんばんは
まりもちゃん、松剣さん、相方さん、連日の通院お疲れさまでした。
抗がん剤の量が増えると、すこし辛さが増すのではないかと思いますが、乗り越えてまた美味しく食べられるようになるといいですね。
かわいいまりもちゃんが早く元気を取り戻せますように!
メグさん
先日のコメント、本当に有難うございました。
コメントへの返事をしながらも迷っていましたが
あの日の朝、思い切って認定医の先生に診て
頂こうと決めて出掛けました。
あのコメントを頂いていなければ、今も不安な
ままで治療を続けていたと思います。
今日のまりも、食欲はいつもの半分も無い
ですが、下痢や嘔吐も無く穏やかに過ごせて
います。明日には食欲も少しは改善されると
思いますので、応援宜しくお願いします。
初めまして。たまたま検索で通りすぎてうちの愛犬と近い年だなと思いブログ読ませていただきました。
愛犬は同じ悪性リンパ腫でした。同じように脾臓がやられていました。
3日前に亡くなりました。うちは抗がん剤治療はしませんでした。かかりつけの先生も抗がん剤治療を一言もすすめませんでした。違う病院へセカンドオピニオンしに行ったのですが治療法を聞いてるとこんな小さな体に毎週針を刺してしまうのかと。。。そしてゆくゆくは効かなくなる、1年は生きれる、2年生きれるのは1~2割と。。。私には痛いしんどい思いさせてたった1年?! と落胆しました。それなら抗がん剤の点滴ではなくて飲み薬はないですか?と聞きました。今のところ錠剤だけでは効果があるとゆう立証はでてませんと言われました。
去年の12月20日に悪性リンパ腫と診断されました。まだその時は元気で食欲も旺盛でした。それから手作り食に変えたり、漢方を扱う動物病院でお灸をしてあげたり、あと必ず検索するとでてくる全国の病院でも推奨してるサプリメントを飲ませてました。
このサプリメントは抗がん剤治療してる子にも癌で手術した子で再発防止の意味でも効果があるものでした。もちろん抗がん剤治療しなくても効果がでる子もいるみたいです。
私はそのサプリメントに出会うのが遅かったのですがでもステロイドと抗がん剤の錠剤だけで食欲も失われず、そりゃ少食になったり偏食はありましたが亡くなる迄ずっと嘔吐と下痢はなし、転移なし、食べる気力はありました。てんかんを止める薬を飲ませてしまって癌細胞が一気に弱ったからだをむしばんでいい状態を保ってたのに脾臓がさらに大きくなり肝臓も少し腫れてきてました。
なので、頑張って下さい! 力みすぎると飼い主の判断がおかしくなるんですよね、助けたい一心であれもこれもどうなの?!どうしたらいい?!何がこの子にとって最良の選択なのか分からなくなってきてました。
どうか頑張って下さい!免疫細胞活性化とか自分の血をとって免疫を増やす細胞を培養して自分の体に戻すとゆうオーダーメイド的な治療もあるみたいです。気力と時間とお金を費やすみたいですが。。。でも自分の血なので副作用が抗がん剤に比べて少ないそうです。
ご存知かもしれませんが、ながながとすいませんでした、
本当に頑張って下さい!
匿名さん
通りすがりでも、この拙いブログを読み、また
愛しいワンちゃんを見送ってたった3日と言う
悲しみの中、コメントまで下さって本当に
ありがとうございます。
まりもには、リンパ球を取り出して培養し、又
血液中に戻す『活性化リンパ球療法』も試し
エビデンスの無い『高濃度ビタミンC点滴療法』
もやりました。インターフェロンと言う
免疫を強くする治療もやりましたが、どれも
効果は無かったです。
結局痛い回数が多くなってしまい、まりもには
かわいそうな事をしたのではないかと・・・
結局出来る限りの事をしたのだから、と自分
自身を納得させたかったのです。
匿名さんの『抗がん剤をしない』選択も私は
ありだと思います。最後まで美味しい物を食べ
笑顔で過ごせたのなら、ワンちゃんはとても
幸せだったと思います。
まりもと過ごせる時間が後どれ位あるのか
分かりませんが、残された時間を大切に
日々精一杯楽しく過ごそうと思います。
もしよろしければ、これからもちょくちょく
お立ち寄り頂き、応援して頂けると嬉しいです。
最後になりましたが、ワンちゃんのご冥福を
お祈り致しますと共に、匿名さん、ご家族の
皆様の悲しみや寂しさが、一日も早く和らぐ
事を願っています。
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