妹宅にはゲストルームがあり、静かで室温も心地良く、前日あまり眠れなかったからか、よく眠る事が出来た松剣。しかし腹が減って目が覚めてしまった。
きっと疲れたであろう妹と姪っ子を起こさぬようリビングへ向かう。
さて、今日はどうするかな。歴史巡りは姪っ子が退屈だろうし、帰りの列車の時間も気にしなければならないので、テーマパーク的な所もNG。国立博物館も考えたが、特に興味ある催しもやっていない。
ネットで検索していると妹が起きて来て、お腹空いたんでしょ?と言い、フレンチトーストを作ってくれた。
姪っ子も起きて来て、フレンチトーストをおいしく頂きながら行く場所を検討。スモールワールドなる、2時間位で見られるちょっとしたテーマパークを発見したが、支度が整い出発できそうな時間を考えると、ちょっと慌ただしくなりそうとなり、谷中をブラブラすることに決定。
以前、どこか行きたい所があるかと聞かれた際、谷中に行って見たいというと、えー?何があるん?と脚下された経緯がある。
今は映画⌈君の名は⌋の聖地として有名になったので、妹の方から提案してきたというわけだ。
しかし松剣にとっては違う聖地なのだ。さゆりちゃんのアルバムの中に⌈夕焼けだんだん⌋という曲がある。
谷中に住んでいる未亡人が、猫が大好きだった夫をあれこれ思い出すという歌だが、全く辛気臭くなく、密かに好きな一曲で、歌詞には夕焼けだんだん、富士見坂などの名称が登場する。
そしてもう一曲⌈谷根千小唄⌋は、この界隈で娘時代を過ごした女性が、根津の神社で初恋の人とかくれんぼした遠い日を思い出しながら、お互いに実ることのなかった恋と下町の人情を懐かしく思い出すという歌で、松剣にとって谷中は正に聖地巡礼なのだ。
夕焼けには早いが、ここがロケ地らしい。聖地巡礼というが、あまりオタクっぽい人は見当たらない。
少し歩いたが、また腹が減ってきた。時間もちょうど昼時。ネットで検索した昭和チックなカフェへ行く事にした。
カフェとは言いながら、メニューは大した物はない。ガパオライス、黒オムライス、塩焼きそばを注文。
しかしお店の中は何だか⌈おばあちゃんち⌋って感じで懐かしく、ノスタルジックな世界に浸っていると、お店の電話が鳴った。
えー?!マジで?この電話使えるんかいっ!お店の人は普通にこの電話でお客さんと話しているではないか!姪っ子も目を丸くしている。松剣だって使った事ないもん。
ビックリしていたら注文したのが運ばれて来た。
黒オムライス、黒くないじゃん。
いやいや、中が黒いんです。
値段は全種類1,000円。飲み物も付いていない。不味くはないけど、値段の割にはどうなんだろ?量も少ないし。まぁノスタルジック料と言うことですな。
お腹も少し落ち着いたので、もうちょっとブラブラ。すると姪っ子が駄菓子屋の前で、かたぬきって何?と聞いてきた。妹はなんだろうね?と首を傾げていたが、松剣すぐわかった。
子供の頃、秋祭りの神社の境内で必ずやったあれじゃ!薄くてラムネを硬くした、食べられる素材に色々な絵が型取ってあり、針で周りをうまく削って抜くあれよ。絶対うまく出来た試しはないが、姪っ子初挑戦。
成功すれば、この形なら200円もらえる。絵柄が複雑なほどもらえるお金が増える。がんばれー。
何と大成功で200円ゲット!なかなか器用で几帳面な姪っ子、やるじゃん。次回はもっと複雑な絵柄に挑戦したいらしい。
しかし色んなお店が並んでいるな。
ここはトルコランプのお店。自分でオリジナル作品を作ることも出来るらしい。
おーっ!これは!一体何屋さんだろ?刀屋さん?んな訳ないな。結局わからず٠٠٠
猫カフェ。入りたいが姪っ子は猫アレルギー。今日は無理じゃな。
テレビにも出たことがある、有名なメンチカツ。食べたいが姪っ子は一つ全部食べきれないと言うので、じゃあはんぶんこだね。
外はカリッ、サクッ、中は熱々ジューシー。こりゃウマイ❗姪っ子も気に入ったようだが、今度もし来たら、1個ひとりで全部食べよ。
ブラブラしていたら、そろそろいい時間になってきた。ボチボチ帰りの列車の時間も気にしないと。相方にお土産も買わないといけないよ。
あまりゆっくりは出来なかったが、二泊三日の東京、楽しいひとときだったな。次はいつ来られるかわからないが、少し足を伸ばして小田原辺りに行ってみるのも良いかもね。