一通り話を聞いたヒーリングの先生の脳裏に浮かんだ松剣の前世は・・・
中世ヨーロッパの王様と家来。勿論母が王様。実力では無く世襲で王位に就いたこの王様を、他の家来達は良く思っていなかったが、松剣の前世だった家来だけはこの王様の事が嫌いでは無かったらしい。しかし他の家来達に促されて結局この王様の失脚に加担した為、この事をずっと悔いたまま亡くなったのらしい。
そして松剣の今生での課題は『様々な愛の形を学べ』と言う事なのだそう。自分で見た訳じゃないし、一通り話を聞いた後なので、何とでも言えそうじゃん・・・そう思った松剣、それなら実際に自分で感じてみようと思い立ち、今度は『ヒプノセラピー』なる物を受けたのだ。
ヒプノセラピーは催眠療法の一種だが催眠術とは違い、薄暗い部屋のベッドに目を瞑って横になり、先生の言葉に導かれるまま脳裏に浮かんだ事を話すのだ。ちゃんと意識もあるし確かに自分が話している感覚しか無いけれど、映像が次々浮かんで来る。そこで松剣が見たのは・・・
最初の問いは時代だった。おそらく、ではあるが戦時中か。場所は?地名ははっきりしないけれど大阪か?空爆か何かで破壊された街。風呂屋の煙突が折れていた。足下は・・・裸足かボロボロの靴を履いているかで、手は小さくとても汚れている。ベージュの薄汚れた半パンに白いランニングシャツを着た、小学校1〜2年生の丸刈りの男の子の様だ。
名前は?・・・ヒロ・・・ヒロシ。ヒロシ君はひとり?・・・そうです。何をしているの?・・・探している・・・誰を?・・・お婆・・・そう、お婆ちゃんです。はぐれてしまったみたいです。お母さんは?・・・3歳の時に川で亡くなった。お父さんは?兵隊さん。
こんな感じで映像が浮かんで来る。結局このヒロシのお婆ちゃんは空襲で亡くなり、ヒロシは丹波の親戚か知人の家で終戦まで過ごすのだが、自分だけご飯を食べさせてもらえない日もあり、随分ひもじい思いをする。近所のおばさん(女優の長山藍子に似ていた)が見兼ねてりんごをくれた。
戦争が終わり、やっとお父さんが帰って来た。飯ごうにたっぷりの米を持って・・・おくどさんでご飯を炊く為、蒔きを探しに籠を背負って山へ出掛けるシーンや、火吹き竹を探す場面もリアルだった。
そして時代は進む。大きくなったヒロシ君、何をしていますか?・・・浮かんで来ない。
大人になれなかったみたい・・・10歳くらい?天然痘か何かで亡くなった様です。
土間の横の囲炉裏の側で、布団に横たわる自分を見て号泣しているお父さんが見えます・・・
どんな気持ち?お父さん、ゴメンね。先に死んでゴメンね。ありがとう・・・そんな気持ち。
じゃあヒロシ君からのメッセージは?・・・たくさん食べて健康で元気な大人になって。人には優しく、出会いに感謝して毎日を精一杯生きて。人はいつ亡くなるかわからないから・・・
じゃあお母さんの事はどう?・・・生きていて欲しかった・・・どんなお母さんでも良いから側に居て欲しかったと思っていたみたいです・・・
20分くらいの前世の旅だった。と思ったら何と60分以上経っていた。やりとりの大まかな内容だけなので、実際はお婆ちゃんの顔や容姿、意地悪をされた親戚か知人の家のおばさんの顔など、もっと細かいやり取りとその時々の感情をじっくりと思い出していたからだ。
しかし先生曰く、松剣はとても感情が出にくいらしく『鈍感』なのだそう。確かにどんな気持ち?と聞かれても暫く沈黙する事が多かった気がする。
これらの映像や登場人物が実在するのかどうかは意味が無い事らしい。もしかすると今の自分が見聞きして来た事や体験の中で作り上げた事かもしれないし、全くの想像かもしれないけれど、大切なのは前世を生きた『ヒロシ』の気持ちや『ヒロシ』からのメッセージらしい。
まりもの治療がいよいよ難しくなり始めた頃から松剣スピリチュアルな世界に興味を持つ様になった。ハマるとまっしぐらになってしまう松剣の性格をよく知る相方は、こんな世界に足を踏み入れる事をとても心配する。でもそこはちゃんとわきまえているつもり。前世からのメッセージの意味を考え、問題をあやふやにせず解決出来たらと思う。
母が東京の妹の所へ行って留守だから、晩ご飯を一緒に食べようと、父が電話をくれた。
久々に二人でポツポツ話をしながらチェーン店で豚カツを食べた。二人とも酒を飲まないのでこんな時ガチは困るんだよね・・・でも父なりに何とかしようと思ってくれている事が嬉しかった。
この翌日。又もや母が無神経な電話を掛けて来た。東京のお土産を持って行くと明るい声で話すので、父に持って来て欲しい、あなたとは会いたくないとハッキリ言ったが、それでも全く落ち込むどころか逆ギレ気味に、ふ〜んわかったと電話を切られた。
お土産は指定した通り父が持って来てくれた。いつ迄もこんな事続けていてはダメだけど・・・