2月6日はYの旅立ちから四十九日。ご葬儀の時にママと約束した通り、少し前倒しの1日に法要を行う事になっていた。しかし週間天気予報は当日雪だと言う。又雪かぁ〜。Yはどこまで雪が好きなんだろうね?そんな事を言いながら一緒に法要に参加する仲間達と段取りを決めた。
幸い当日雪は降っていなかったが、法要が営まれるお寺は松剣宅から北へ90㎞。高速に乗り途中で昼食の為立ち寄ったパーキングエリアでは、前日の雪がしっかり残っていた。
食事を終え待ち合わせ場所のお寺へと車を走らせていると、S美ちゃんの車で一緒に来る事になっていた友人Fからお寺の場所が分からないと連絡があり、待ち合わせ場所を高速出口に変更。ナビの故障だという。M子ちゃんもTちゃんも一緒でしょ?スマホを持っている大人がそんなに居るのに誰も詳しい場所がわからないなんてね・・・
少し迷いながらも目的のお寺を見つけた。ママとお父さん、弟夫妻はまだの様だ。少し早かったかな・・・駐車場に車を停めてF達と顔を合わせる。S美ちゃん、M子ちゃんとはご葬儀以来だ。道中爆睡していたと言うTちゃんも目を覚ました頃、ママ達が到着した。
電話で何度か話はしたが、ママと会うのもご葬儀以来。グレーの着物に喪服を羽織り、さすがY自慢のオカンだなと思った。
寒い中遠くまで来てくれてありがとう。そんな挨拶を交わしていると雪が舞い始めた。まぁ〜それにしてもあの子は又雪を降らせるつもりかしらねぇ〜とあきれたようにママが笑う。
電話で話した時は少し疲れた様子だったが、思ったより元気そうで安心した。
そろそろ本堂へ入りましょう、ストーブを焚いてくれているからと言われたが、本堂は寒かった。温かいお茶とお菓子を頂くと少し寒さは和らいだ。
やがて時間となり、ご住職の自己紹介の後お経が始まった。浄土真宗のお寺だが、聞いたこともないお経だった。木魚や鐘などの鳴物がそれはそれは派手にドンチャン鳴り始めたと思うと今度はサンバラ〜サンバラ〜とまるで歌を唄う様におりんをチンチン鳴らしながら白木のお位牌から漆塗りの位牌へ御魂を移すような儀式が行われた。不謹慎だが笑いを堪えるのが大変だった。
迷わずお浄土へ行けますように・・・心を込めて南無阿弥陀と10回唱えてお経は終わった。その後はご住職がYの法名の説明をして下さった。
Yの人生や性格などをママから丁寧に聴き取って付けられた名前は、俗名の一字に加え、信念を貫き通す意思の強さ(相当頑固だったからね)を表す漢字や、いつも華やかだったYの人柄を表す漢字を入れて考えたのだと仰った。
法要が済み納骨の為本堂を出ると雪は止んでいた。お墓はお寺のすぐ横の墓地。Yがこれから眠るお墓や隣のお墓の周りにご住職がお経を唱えながらお米を撒く。又さっきのサンバラ〜サンバラ〜と唱えながら・・・
Yが居たら腹を抱えて笑ったに違いない。みんな心の中でそう思ったと言う。こんなに仲の良いみんなが集まっていると言うのに、Yが居ない事が未だに不思議で仕方がなかった。
全ての儀式が済み、夕方からはママ達の計らいでみんなに食事が振る舞われた。普通じゃ行くのに気合いがいるお店のお料理は上品な懐石。美味しい和食に舌鼓を打ちながらYの話で盛り上がる。
何だかYが来て、臨終の時の様子や三途の川の渡り方、そしてあの世の仕組みなどを身振り手振りを交えて面白おかしく話してくれそうな錯覚に陥る。きっとみんなに教えたくてウズウズしているんだな。
Yの話で3時間も楽しく過ごし、お開きとなった。こうしてみんなで集まる事も無いのかな・・・そんな事を思っていると、誰からともなく定期的に又みんなで集まろうと言うことになった。勿論!仕事の都合がつかなくてどうしても参加出来なかったM美とパパさんもきっと来たがるに違いない。
ママがこれでひと段落ついたわと、ホッとしたようなそれでいて少し寂しそうに言ったので
Yの代わりに手料理食べさせてよと約束した。
こうして仲間になったのもYが紡いでくれた縁のお陰だね。命ある限りご縁を大切にしろとYは言いたいのかもしれない。ありがとう、Y。いつか再会した時、松さん久し振り!ずっとここから見ていたよ。良い人生だったね、よく頑張ったねと言ってもらえるように精一杯生きるから。みんなの事、ずっと見守っていてよ!
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